憂鬱な感情表現に使う言葉や表現の仕方で迷っていませんか?
憂鬱な感情は、あらゆるストーリーで描写する機会があると思いますが、どんな表現がその場面にピッタリくるのかと迷うこともあるのではないでしょうか。
そこで、この記事では憂鬱な感情に関連する言葉をピックアップし、描写の文章例をつくってみたので一覧で紹介します。
小説などで使う表現のアイディアに迷った時には、ヒントとしてぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
憂鬱な感情表現に使える言葉
まず、憂鬱な感情表現に使いたい言葉を集めてみたので紹介します。
憂鬱な感情を表す時に使える言葉
- 鬱々(うつうつ)
- 塞ぐ(ふさぐ)
- もやもや
- 曇る
- 陰る(かげる)
- 憂う(うれう)
- 憂える(うれえる)
- アンニュイ
- 重苦しい
- 重い
憂鬱な時の状態や動作を表す時に使える言葉
- 眉を顰める
- ため息をつく
- 胸が痞える(つかえる)
- ぼんやりする
- 胸騒ぎがする
- 上の空になる
- 気分が晴れない
- 頭を悩ます
- 心ここに在らず
- 生返事をする
憂鬱な感情の表現例
次に、上記の言葉を使った雨についての表現例をつくってみたので、いくつか紹介します。
憂鬱な感情の心理状態を表す表現
まず、憂鬱な時の心理状態を表す表現です。
憂鬱な感情になる時には、何か心配事がある、心が落ち着かない、漠然と胸騒ぎを覚える、といった状態になりますね。
環境などによる日常的なストレス、物事がうまくいかない、などの理由で未来に対して不安を覚える、そんな状況の時の心理状態です。
つまり、ストーリーの中で登場人物の心の動きを鮮明に表すことで物語に深みを与える、そして、それによって読者の共感や感動を誘うために重要な表現と言えますね。
そんな状況を表現したい時には、以下のような表現をしてみてはいかがでしょうか。
表現例
- 「今眠ったら、次に目覚めた時には朝が来ている。ただそれだけのすら怖くて安心して眠る気にはなれなかった。このまま横になって悶々としているのも何だと、起き上がって窓を開ける。外気が入り込み涼しい空気が顔を撫でる。そのまま窓の外に視線を向ける。しんとした静けさ、月明かりの空、街頭に照らされた薄暗い街だけが、そこにはあった。がやがやと邪魔するもののない、その光景は何も言わないまま静かに私を包み込んでくれているような心地よさを感じた」
- 「入社して二年目とはいえ、仕事は好きになれないし、働くことが重苦しいのに変わりはなかった。むしろ、夢を抱いて入社した新人の頃よりも仕事への嫌悪感は増しているほどだ。特に、朝の通勤時間は憂鬱で、こんなに嫌な時間はない。気分が塞いでるだけでなく、何だか体もだるいし、オフィスまで歩く一歩一歩の足取りはひどく重たく感じられる」
- 「また日曜の夜が近づいてきた。充実していた時間も一旦終わりを迎えようとしている。刻一刻と夜が近づくにつれて、言いようもない漠然とした不安に襲われる。そのモヤモヤとした感覚は、まるで忍び足でやってきたかのように、いつのまにか現れては気付くと心を覆っている。こうなると、明日への憂いでいっぱいで、就寝前のリラックスタイムも台無しだった」
憂鬱な時の動作や振る舞いについての表現
次に、憂鬱になっている時の動作や振る舞いについての表現例です。
憂鬱な心境にある時には、自分ではそうと意識していなくても、心情が振る舞いに現れてしまうこともあります。
たとえば、ついぼんやりとしてしまう、口数が減る、集中できないといった状態です。そんな状態によって、自分でも平常心でない心理に改めて気付いたり、第三者から見ても何かがおかしいと気づかれることもあります。
そんな憂鬱な感情にある人の様子について表す時には、以下のような表現をしてみてはいかがでしょうか。
表現例
- 「本を開き、ひたすら文章を目で追う。だが、自分では本を読んでいるつもりでもまったく内容が頭に入ってはこない。いつまでも気にかけていても仕方がないと思いつつ、読んだはずのところを読み返してみるものの、頭の半分では別のことを考えていてまったく集中できはしない。『ダメだ』小さくため息をつき、いい加減に諦めて本を閉じた」
- 「『ねえ、ちょっと、聞いてるの?』振り返って、軽くイラついた声で彼に返事を促す。『ああ、聞いてるよ』。彼はそう言ったきり再び黙ってしまった。気を遣ってそう返事をしたものの、まったく話には興味がなさそうな感じだった。何か様子がおかしい。そう思いつつも、どことなく深入りされたくなさそうな彼の様子に私は何も言えなかった」
- 「『お疲れ様でした』。席を立つと挨拶をしてオフィスを出ようとした。仕事終わりで後は帰るだけとは言え、いまだに例の件が頭の中を占めたままだ。心の中はもやもやとして、半分心ここにあらずの状態で歩いていた。『あれ?』オフィスの扉を出ようとしたところで、私はハッと足を止める。鞄を忘れたことに気付いたのだ。慌てて席まで取りに戻る。すると、隣の席の同僚が帰ったはずの私にチラリと視線を向けた。何となくばつが悪い思いをしながら、鞄を手にすると足早にオフィスを去った」
- 「ろくに眠れず、かなり早くに目が覚めてしまった。それならと、いつもより早めに家を出て、オフィス近くのカフェに立ち寄る。ウィンドウ越しに通勤途中の人波を眺めながら、ゆっくりとコーヒーを飲む。普段なら朝の慌ただしいこの時間帯も、こうして一人でただコーヒーを飲んでいると、ゆっくりとした時間が流れているように感じられた。昨日から塞いでいた気分も、ちょっとだけ落ち着いたように思えてきた」
外部との対比で憂鬱さを強調する表現
次に、憂鬱さを強調する環境についての表現です。
憂鬱な感情を表現する時、ただその心理状態について描写するだけではなく、周囲の環境によってその心理を強調したり、間接的に表現することもできます。
たとえば、曇り空や雨のようなどんよりとした状態、逆に周囲の明るさと対比して憂鬱さを表現するといった方法も効果的ですね。
周囲の状況や環境で、登場人物の憂鬱な感情を強調したい時には、以下のような表現をしてみてはいかがでしょうか。
表現例
- 「あんなことがあった後で、彼女に会うのが気まずくてたまらなかった。かと言って、このままずっと彼女を避け続けるわけにもいかない。仕方がないと諦め半分に、とりあえず出掛けようと玄関を出る。すると、玄関を開けて一歩外に出たところでハッとした。外は、夏の日差しの燦々とした明るい光に溢れている。その明るい景色を目にした途端、世界に色がついたかのような、小さな驚きを覚えた」
- 「その日は、朝からあいにくの雨。鉛色の空から、冷たい雨がしとしとと降っている。どことなくアンニュイな風景。だが、なぜだか今はそれが心地良いようにも感じられた」
- 「数メートル先にいる高校生だか中学生だかの女子数人が楽しそうにキャーキャーと騒いでいる。私は、彼女たちの姿を力なくぼんやりと眺めていた。車内で騒いでいる学生がいるとイライラしそうなものだが、この時の私は不思議と平坦な気持ちだった。何も憂えることもなく、ただ今を楽しんでいる彼女たちの笑顔が、あまりに今の自分とかけ離れているように感じられたからかもしれない」
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まとめ
POINT!
- 憂鬱を表現するには、その状況下にある人の心理状態や心象風景を表現したり、無意識でとってしまう普段とは異なる言動を描写すると表現しやすい
- 周囲の明るい環境と対比するようにして憂鬱さを描写すると、心の暗さや重たさをより強調して表現することができる
- 暗いアンニュイな外部の環境とセットで人物の憂鬱な感情を描写することで、心理状態を引き立てて表現することもできる
以上、憂鬱な感情の表現や描写に使える言葉と文章を紹介しました。
小説のストーリーの中には、憂鬱な感情を描写する場面も多く出てくると思います。
憂鬱さは、登場人物の心の動きを表したり、成長の過程を表せるので、うまく描写ができるとストーリーに深みが出るので工夫したいところですね。
もし表現に迷った時には、上記を参考にしてみてください。