エッセイ

「読書離れ」をしている人に知ってほしい本を読むことの価値

2021-08-22

最近では「若者の読書離れが進んでいる」という。月に一冊も本を読まない人も多いのだとか。

確かに、今ではインターネットで気軽に調べ物もできるし、インドアで一人で楽しめる趣味は他にいくらでもある。そうなると、本を読まない人が増えるのも時代の流れとしては仕方がないことなのかもしれない。

だが、もっと細かくみると、読書離れといっても本を読む人は読むし、読まない人はまったく読まないという二極化が進んでいる、というのが正しい見方のようだ。

つまり、インターネットの普及で「本の価値が下がった」というわけではなく、単に読書の良さを知らない人が増えただけ、ということだろう。

とはいえ、本好きの私から見ると、読書の価値を知らない人が多いのはどことなくさみしいことのようにも思える。

そこで、ここでは、長文を読まない読書離れをしている人に知ってほしい、読書の価値について書いてみたいと思う。

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私は子供のころから、本を読むことが好きだった。

その理由の一つは、分かりやすく言えば、「本を読むこと自体が単純に楽しいから」である。ゲームをしたり映画を見たりするのと同じような娯楽の一つとして楽しいのだ。

たとえば、小説を読んでいる時には、これからどんな展開になるのかとワクワクしながらページをめくり読み進めていく。読みながら、次第に登場人物たちの感情に共感し感情移入していきながら、感情が揺り動かされる。その一連の時間は、現実を忘れて本の世界に没頭していて、ちょっとした非現実・非日常の世界を体感しているのだ。

それは、小説を読む楽しさの一つである。

他にも、小説を読むとこんな楽しみも体験もできる。

誰もが日常生活にはストレスや悩みを抱えることがあるだろう。

そんな時に、小説を読み、そこに出てくる登場人物たちに感情を重ね合わせ共感を抱く。すると、現実世界で抱えている悲しみや怒りといた感情を間接的に発散することにつながり、現実のストレスを軽くすることができるのだ。

また、小説の登場人物たちの言動を通じて、現実で悩んでいることのヒントが得られ、現実の悩みが解決につながることだってある。小説を単なるフィクションだと侮ってはいけない。たとえフィクションでも、創作の物語であっても、共感して自分の感情と小説のストーリーがオーバーラップする時、悩みのヒントが見いだせることはよくあるものだ。

さらに、小説は読んだらそれで終わりではなく、読後にも楽しみを味わえる。

たとえば、小説を読んだ後「この登場人物はどうしてここでこんな言動をしたのだろう」「この時主人公はどんなことを思っていたのだろう」「もしこの時こうしていたら違う結果になったのに」などとぼんやりと考える。そんなことを思う時、まるで「歴史のもしも」を考えるかのように限りない想像の世界が広がる。そうやって想像力を膨らませてみるのも楽しいものだ。

読書の価値をもっと掘り下げてみる。

小説を読む時、まずは何を読むのか、作品を選ぶところから始めるだろう。小説といっても書店には星の数ほどあるのだから。

だが、どんな作品を読むか、どんな作品を好むかは、人によって傾向は違う。また、その時々の気分などによっても読みたいものは変わってくるだろう。

そうすると、なぜその作品を自分は選んだのか、なぜその作家の本を好むのか、そこには何らかの理由があるはずだ。それを突き詰めていくと、今まで自分でも知らなかった新たな自分像を発見することにもつながるかもしれない。

そんな風に、小説は日々の生活にちょっとした癒やしや楽しみを与え、想像力を育み、日常生活を円滑にする「潤滑油的な存在」として活躍してくれるのだ。

では、もし読む対象が小説でなく、ビジネス書や自己啓発書などの実用書ならどうだろうか?

結論から言うと、実用書でも小説と近い読書体験が可能だ。

実用書はストーリー性はなくても、本の内容にはそれまでの自分にはなかった新しい知識が詰まっている。初心者にもその知識が一通り理解できるように体系的に説明してくれるのが実用書だ。だから、「こんな考え方があるんだ!」「これにはこんなやり方をすればいいんだ!」など、読書体験で得た新しい発見によって新鮮な感動が得られる。

そして、読後には、その本の内容をどう実生活や仕事に活かしていくかをあれこれと考えて、想像力を働かせる。「ビジネスの発展にこの知識をどう役立てるか」などとあれこれと想像し、実際に知識を元に試行錯誤する。その結果、その本で得た知識によって、わずかでも何らかの実益につながれば、それ以上言うことはないだろう。

このように、読書は一時的な娯楽としての楽しさや感動を与えてくれるばかりではなく、読んだ後の時間も含めて、読者に確かな足跡を残してくれるのだ。

読書体験はさまざまな可能性を秘めている。本を読むとことが、自分の世界を広げ、毎日の生活を豊かにすることに役立つのは間違いない。

にもかかわらず、これだけたくさんのメリットがある読書をしないのは、発展や成長の機会を自ら捨ててしまうようなものではないだろうか?

もちろん、毎日の時間をどう使うかは完全にその人の自由だ。突き詰めていけば、読書をしようがしまいが、本人がそれで良いと思うなら、どちらでも良い。

しかし、相性の良い本と出会い、読書の価値や楽しさを知れば、きっと誰でも読書が好きになれるだろう。

興味がないのに無理に本を読もうとする必要はない。それでも、毎日をもっと充実させたい、自分の世界を広げたいなら、読書がその近道になるだろう。もしそんな願望があるなら、すぐに読書を始めることを私はおすすめしたい。

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  • この記事を書いた人

紫門 依里(さいもんえり)

40代のブロガー・オンライン作家。ブログでの情報発信を中心に、オリジナル小説の執筆・発信、電子書籍の出版など幅広く活動中。

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